クラブ・レコルト 第12号 2004年1月発行
本年も宜しくお願い致します!
ずいぶんと過ぎてはしまいましたが、お正月休みは今年もやっぱり、あっという間に終わってしまいましたね。
つらかったこと、悲しかったこと、すべて2003年と共に終わりとして、新しい2004年のスタートを皆さんが切れたのであれば、
それは当店として、この上ない喜びです。
今年も一年、レコルトを、そしてこの、「クラブ・レコルト」を宜しくお願い致します!!
ゆっくりできましたか?楽しまれました?
私は子供の頃、お正月といえば「お年玉」が何よりも楽しみでした。
お正月のずいぶん前、それこそ12月の中ごろから、「○○さんから△△△△円!」などと皮算用をしたものです。
「これとあれと・・・・・あああ・・・・」
なんて、欲しいものリストをしっかり作っていました。
しかも、何度も下書きまでして・・・・・。
今から思えば、ずいぶんといやらしい性格の子供でした。
そして、お正月も終わるころ、いざお店へ突撃となる訳です。
思い出すたびに、ちょっと恥ずかしさを感じてしまうような、でも懐かしい思い出です。
でもきっと、そう思われるのは私だけではないですよね!?
「モノを買う」という行為の前などは、もちろん今も似たような楽しみはあります。
でも、あの頃ほどのワクワク感は感じられません。
「買い物をする」という経験を、本当に数え切れないほど積んでしまったからでしょうか。
経験するということは、人からワクワクやときめきを奪ってしまうものなのかなどと、思わず考えてしまいました。
でも、許されるならば、何か久しぶりに心の底からワクワクするような買い物を楽しんでみたいものです。
今はもちろんすっかり大人になって、しかも2年後には2回目の成人式を迎えようとしています。
それでも私はお正月がいまだに大好きです。
「なぜ?」って・・・・・前号である、「11号」をお読み頂いた方は、恐らく既に察しがついているのではないでしょうか。
「全世界的祝福行事」「日本国政府公認」「文部科学省推奨」などの名のもと、
何の遠慮もなくお酒を呑めるからです。
それこそ、朝起きてから、まるでお年玉をもらうのを待つ子供のようにニコニコ顔。
台所を覗いては、「まだぁ?」などと催促。
そして、ようやくお待ちかね。
子供時分、おいしいとは決して思わなかった、テーブルの上のおせち料理、
今ではすっかりその存在理由がわかりました。
「ご先祖さまたち、みんなみんな酒呑みだったんだ・・・・・・
お正月の場合、昼間から呑んでしまっても、それほど後ろめたさを感じる必要もありません。
そして連日、連夜、続くのです。
「なんて素晴らしいんだ、わが祖国。おめでとう2004年、私のお正月よ・・・・
いつまでも僕のそばにいておくれ!!あああ・・・・」
などと、なかば愛の告白にも近い言葉を発しながら、グラスを傾け続ける自分自身の姿がそこにはありました。
しかし、お正月はとうとう終わってしまったのです・・・・・・・
さあ、仕事、仕事!
「大変申し訳ありませんでした!」
既に該当されるお客様には直接お電話でお詫びを申し上げましたが、「クラブ・レコルト」の前号を郵送させて頂いたなかのごく一部の方に、
「重量超過」という形で料金のご負担をさせてしまうかもしれない、という事態を実は起こしてしまいました。
完全に私の不注意でした。
あらかじめ郵便局できちんと重さを量ればよかったんですが。
結果、何事もなく、ほっと胸をなでおろした次第です。
深く反省すると共にこの場をお借りして、お電話をさせて頂いたお客様にはあらためましてお詫びを申し上げます。
以後皆様には決してご迷惑をかけないように細心の注意を払うことをお約束します。
本当に申し訳ありませんでした。
ところで、どれだけのオーバーかといいますと、1通あたり「3g」の超過でした。
よく気がつきましたね!!
さすが我が多治見郵便局の職員さんもプロです。
皆さんも気を付けましょう・・・・・・・・。
クリスマスのお茶とお菓子の日、
皆さん多数ご参加くださり、本当にありがとうございました!
レコルト初めてのイベントらしいものでしたので、実は当日まで店主と二人してとても不安だったんです。
「誰も来てくれなかったらどうしよう」って。
でも、たくさんの方が、お友達やご家族の方と一緒に来店して下さいました。
もう一度心から申し上げます。
「本当にありがとうございました!」
店主手作りのデザートは、いかがでしたでしょうか?
こういったイベントは今後も企画していきますので、ぜひまた奮ってご参加ください!
「街はバーゲン一色」
1月です。
正直に申し上げます。
バーゲンでの買い物、決して嫌いではありません。
実は子供の洋服を買いに、バーゲンへ行って来ました。
たくさん買ってしまいました。
私のニットの帽子も買ってもらいました。
ありがたいですね、バーゲンって。
本当に助かります。
でも、私達の仕事の立場上、これ以上のことは言えません。
バーゲンをしないレコルトは、寒く、そしてつらい厳冬期を迎えております。
そもそも、
「最初からかなりお値打ちにしてありますので申し訳ありませんが、バーゲンの予定はありません」
と言い出したのは、他でもない自分達なので、全く当たり前のことなんですが。
世間はバーゲン真っ最中の今、それでも毎日お客様がお店に足を運んで下さいます。
「新しいもの何か入りましたか?」って。
つい先日も「バーゲンに行っても、あまり良いものが無くって。じつは、これ気になってたの。」と、お買い上げ下さったお客様がみえました。
本当にうれしかったです。
やはり私たちを一番暖かくして下さるのは、お客様達です。
でも、もし今後バーゲンでの何か耳寄りな情報がありましたら、ぜひ教えてくださいね。
こういうのは、せっかくですからみんなで共有しましょう!
「カフェはやらないの?」
よくお客様にそう訊かれます。
本当にありがたいお話です。
とても素敵だと思いますし、正直に憧れもあります。
でも、ご期待に沿えずに申し訳ないのですが、予定は今のところございません。
現在は、お店に来て下さり、お時間のある方には、お茶をお出ししています。
洋服や雑貨などのお買い物をされたかどうかなんていうのは、全然関係ありません。
これはわざわざ当店のようなところに来て下さった方への、私どもの感謝の気持ちを込めたものなのです。
「一期一会」という言葉が私は大好きです。
お客様と私どもとは、既に最低でも一回の面識を、店内で持たせて頂いております。
その際いろいろお話をさせて頂きました。
一度ならずともそういう機会を持たせて頂いた方とは、またお話できたらなあって思います。
私どもにとりましても、何よりもの楽しみなんですね。
ですから、何にも用事がなくても、皆さんぜひお気軽にお店を覗いてくださいね。
亭主改造大作戦2004!
さて、もうすぐ「バレンタインデー」ですね。
「実はバレンタインに主人にチョコレート以外にも何かプレゼントを」なんて密かにお考えの奥様、
とっても素敵ですよ。
せっかくですし、どうせならお宅のご主人、今以上にかっこよく改造しちゃいましょう!
世間の冬物バーゲンセールはとっくに終わっているでしょうが、
春物を着るにはまだまだ寒いし雪も降るのがこれからの季節。
当店では一点もののセーター、ベスト、ブルゾン、カジュアルジャケットなどをいくつかご用意させて頂いております。
特に、セーターやベストなんかがお手頃で良いのではないでしょうか?
店にあるメンズの商品を見て頂いたお客様も多いと思いますが、
極端に流行を追ったシルエットなどのものは当店にはほとんどありませんし、お勧めもしません。
男性の場合には特に、そういった「流行による商品の個性」が強すぎるものでなく、
素材の丈夫さ、長く着て頂けるようなデザイン、全体的にさりげないお洒落ができるものをお勧めします。
お申し付け下されば、簡易ラッピングも致しますよ。
そして、お宅で「BEFORE」と「AFTER」で比べて・・・・・・。
なんて冗談です!!
素敵なのはもちろんご主人自身ですよ。
洋服なんかではありません。
サイズの問題もありますので、本当は一緒にご来店頂けると、一番よろしいかと思いますが、
せっかくですから驚かせたいですよね。
世の中で、他の誰もが持っていない、ご主人だけの一品です。
奥様から、ぜひどうぞ。
では、レコルトにおいている一点ものとは?
アパレルの各ブランドの企画担当者やデザイナーなんかが、自分達のブランドの商品を企画する際には、
その基となるもの、カタチとして見られるものを、ミーティングなどの為に用意します。
ビジネスとなると、好き勝手に物なんて作れないからです。
何も無しで企画できるブランドなんて、コレクションをやっているようなレベルのクリエイターのもの以外、ほとんど現状世の中にはありません。
ですから通常の場合、素材、デザイン、仕様など、実際に次の商品でとりあげたいものの見本を用意する必要がある訳です。
一般的にはこのような場合、どこかのショップなどでサンプルとして、実際の商品を購入されたりすることが非常に手っ取り早いので、ケースとしても多いのですが、
でも決してそれだけではありません。
中には高い費用と時間、手間をかけて、そのためだけにわざわざ一枚だけ作られるものも多数あります。
デザイン画や仕様書、型紙を別に起こし、素材もその一枚だけを作るために、別注で糸を染めたり、生地を織ったり、付属を作ったり、ということもあります。
工場でもそういったものは、ほとんどの場合、腕のいい人がひとりで縫いあげます。
また、そういったブランドの企画の人たちに向けて、大手商社などが受注に向けた情報発信や企画提案のために、展示会を行うことがあります。
そのための商品も全く同じように作られます。
そしてそれらは、一流アパレル企業からの受注という、大きな課題を背負いますので、こういった場合の商品は、素材も縫製も、非常にレベルの高いものづくりがなされます。
金額的には、アウターなどでは積み上げ式でコスト計算すると、一枚10万円近くかかっている、なんていうものも多いです。
でも、仕入先や工場など、通常のビジネスがあるからこそ、そんな値段でも作ってくれている訳で、
「実際はいくらのものなんだ?」
と聞かれた場合、算出は不可能というのが本当のところです。
実は、当店の一点もの、と呼んでいるものにはそういったものも多いんです。
こういうものは、私の立場で申し上げるのも何なのですが、
はっきり申し上げて、サイズが合えば「買わなきゃ損」というものです。
そういう形で一枚だけ作られたものは、実際には各ブランドによって量産される際に、
素材も、デザインも基となるものからは少し変わっているのが通常なんです。
値段が合わないために素材のグレードを少し落とさざるを得なかったり、
デザイナーブランドとしての意地なんかを商品に注入したりする場合が多いからなんですね。
でも、そういったものをこれだけ集めているショップって、実のところ私も他には知りません。
国内でも稀だと思います。
そして、間もなく入園式、入学式
早いものです。
また、春がやって来ます。
ウチも、息子が小学一年生、娘が年少となり、それぞれ入学、入園します。
ナニ?娘が幼稚園に入る?・・・・・・・・
皆様、大変長らくお待たせしました!
レコルトにもようやく静寂が訪れることになりました。
これで静かにゆっくりくつろいで頂けます。
親として、実はそれが何よりうれしいかも知れません。
入学式とかのお母さんのスタイルも以前とは変わりました。
きちんとしたスーツなどは少なくなりましたね。
店主(妻)はいったい何を着るつもりなんでしょう?
当店では、この春入学式、入園式用としてはセットアップのスーツをお勧めします。
ジャケット、スカートとして別々にお召しして頂くものを、同じ素材で作ってあるものです。
①入園式、入学式などでも、あまりかしこまらずに、でも、品良くまとめられます。
②式が終わっても、全く普通の生活でカジュアルに着て頂けます。
ハレの時しか着ないなんて、絶対にもったいないですからね。
どれも一点もので、サイズ、点数の限りなどもございます。
もしもご検討中の方は、ぜひお声をかけて下さい。
今月のお薦め曲
高校2年のある夜、私は勉強しながらラジオを聴いていました。
その番組では、ちょうど1970年代の洋楽のヒット曲を特集していました。
当時から少し古めの洋楽が大好きだった私は、こんな番組が始まると、もう勉強どころではありません。
当然「カセット、カセット・・・・」と、テープを探しまわり、エアチェックの準備をひとりいそいそと始めます。
そして、黙ってステレオに向かいます。
何曲目かに流れてきた、アコースティックでスローテンポな曲に心を奪われました。
少し胸苦しくなるような旋律、でも暖かい曲調・・・・・
ビートルズとは全く違う・・・・エルトン・ジョンとも異なる曲作り。
そして、DJが曲の後、言い残した曲のタイトルとアーティスト名を素早くノートにメモしました。
「アローン・アゲイン」ギルバート・オサリバン
数年後、大学に進んだ私は京都でひとり暮らしを始め、貯めたアルバイト代で、ずっと欲しかったミニコンポを買いました。
当時出始めたばかりだった、待望のCDプレイヤーもついています。
(最初に買った記念すべきCDは、今だからあえて告白しますが荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー(英語版)」が入ったやつ。)
あるとき、学校のレコードショップでたまたま、ツイードのジャケットを着た少年が木陰からこちらを向いておどけている、というジャケット写真のCDに目がとまりました。
手に取って見てみると、それには「アローン・アゲイン~ギルバート・オサリバン、ベスト」と書かれています。
驚きました。
ずっとレコード屋を探しまわっても見つからなかったんですから。
買いました。
その帰り道の長かったこと。
その夜、下宿でひとり聴きながら、「ヤッタ!」と思いました。
高校時代のあの夜、DJの伝えた曲名とアーティスト名を、絶対に聞き漏らさないように、
そして間違えないようにと、急いで注意してメモをした、あの夜が帰ってきたのです。
「アローン・アゲイン」自体はかつて全米一位にもなった、大変有名な曲ですし、その後日本ではTVドラマやCMなどにも彼の曲はいろいろ使われています。
そういうのって、実は少し寂しいんですよね。
「俺んだゾ、教えんなよな、もう」って思ってしまいます。
きっと人間の器の小ささなんでしょう。
そういう自分はというと、当時から気に入っている曲なんかすっかりレコード会社のキャンペーンの如く広めてしまったりしており、全く本末転倒な話なのですが・・・・・。
(今もそうですね)
私は、「クレア」とか、「ハピネス・イズ・ミー・アンド・ユー」「ナッシング・ライムド」などが気に入っています。
昔、ビリー・ジョエルや来生たかおなんかも彼を目標にしていたようですよ。
特に来生たかおは凄い入れ込みようで、CDのライナーノーツを書いたり、一緒にレコーディングなんかもしたりしていました。
曲調やそのスタイルといい、完全に、かなりオサリバンを意識していますね。
昔、名古屋でオサリヴァンのライブは2回ほど見に行きました。
「孤高のシンガーソングライター」として、今も独りピアノに向かいつづける、そんな彼の名曲です。
間もなく私も、ツイードのジャケットを買って、自慢気に着るようになりました。
「クラブ・レコルト」、その後やいかに・・・・
「やあ、『クラブ・レコルト』評判いいんだって?」
「ハイ、ありがとうございます。お客様に少しでも我々の熱意が伝わればと、一生懸命書いています。
そして、地域の皆様に対して、本当に喜んで頂けるような洋服をもっと提供し、もっとゆっくりくつろいでも頂けるようなお店にしていきたい、そんな気持ちが
一層強まっています。これからも張り切ってやります!」
「そうだね、大切な心がけだね。」
「ところで、せっかくですから、ちょっとだけ読まれた感想なんか訊かせてくださいよ。ぜひお店の参考にもさせて下さい。いかがでした?」
「ん?まだ読んでないよ。」
「よ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、ここにある、これかな?」
「は、はは、そ、そうですよねぇ-。時間のある時にじっくり読んで下さった方が内容もよくわかって頂けるし。私もその方が実はうれしいんですよ。」
「ん?あれ?違うな。捨てちゃったかな?」
「い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こうなってしまうと、私、正直言ってつらいです。
でももうひとつつらいのは、内容についてのあまりのくだらなさ、そしてこのいい加減な文章の書き方に、苦情の電話がやまない事態です。
「ったく、なによこれ、またあの酔っ払いが書いたのっ?」
「子供が読んだらどうするんですかっ!」
「こんなもの送ってきて!ケーサツ呼びますよ、ケーサツ!」
全て書いているこの私が悪いんですが・・・・・・・。
決してこんなことにはなってしまわないよう、そしてレコルトのお店の品を落とすことのないよう、日々格調ある文章と内容で次回からいきたいと思います。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
季節柄、どうぞご自愛くださいませ。
では、13号でお会いしましょう!(TSUKA)
2004年1月発行 第12号